ILLICIT LOVE〜恋するタイミング〜
私が言われたとおり待っていると、
ウシオは彼の言葉どおり、15分くらいで私のもとに駆けつけてくれた。
「何泣いてんだよ…?心配になるだろ…?!」
人混みの中を息を切らして走ってきて、
口を開くやいなやそんなふうに怒るウシオ。
それでも私はほっとして、また彼の前で泣いていた。
その後。
私はウシオに、
トモシと温泉旅行に出かける予定だったんだけど、彼が都合で急に来れなくなったこと、
それで、ひとりで行こうかどうしようか迷っていたことなどを話した。
するとウシオはこう言った。
「わかった…。じゃあ俺がそいつの代わりに一緒に行ってやるよ」
「え…?」
「だって、旅は道連れって言うし、その方がマユコだってさみしくないだろ…?せっかく有名どこ予約してあんのに、キャンセルするのももったいないし」
「でも…」
「いーのいーの。金はちゃんと払うし、芝居の稽古は休めばすむことだしさ…。だから一緒に行こ…?」