ILLICIT LOVE〜恋するタイミング〜
相変わらず強引なウシオだった。
ウシオとは少しずつ親しくなっていたが、
友達にしか思えない男の人と、
それもふたりきりで旅行なんかに行っていいものだろうか…。
旅館の部屋は一部屋しか予約してない。
…ということは、
必然的にウシオと同じ部屋で寝ることになるわけで、
躊躇しない方がおかしい。
私は少し思案した。
…そうだ。
もう一部屋頼んで、ウシオとは別々に寝ればよくない…?
ウシオと同じ部屋で寝るのは嫌だけど、
彼が一緒に来てくれれば、キャンセルすることなく温泉に行けるしちょうどいいかも…。
私はウシオに「わかった」と返事をすると、
緑の窓口で使わなかった切符を無理矢理新しい切符に交換してもらった。
そしてウシオが家に荷物を取りに行くのを待って、
予定時間を大幅にオーバーしつつも、ついに改札をくぐった。
この旅が、
私とウシオにどんな悲惨な未来を用意してるのかも知らずに…。