ILLICIT LOVE〜恋するタイミング〜

待ちに待った土曜日。


私は約束の時間より少し早目に待ち合わせ場所に向かった。






12時を少し過ぎると携帯が鳴った。




ディスプレイには知らない番号。


彼かなと思って出ると、やっぱりそうで。




私達は人混みをかきわけ、すぐに互いの存在を確認した。






予約していたお店に彼を連れて行くと、


テーブルに座った彼は、


「こんなに高いとこじゃなくてもよかったのに。なんか気を遣わせちゃったね」


と言った。




そこは雑誌なんかで取り上げられている有名高級レストランで、


確かに値段は気になったけど、私の出費は全く無駄にならなかった。



なぜなら別れ際に彼が、


「じゃ、今日のお礼に今度は僕におごらせて。また連絡するよ」


と言ってくれたからだ。
< 8 / 261 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop