ILLICIT LOVE〜恋するタイミング〜
待ちに待った土曜日。
私は約束の時間より少し早目に待ち合わせ場所に向かった。
12時を少し過ぎると携帯が鳴った。
ディスプレイには知らない番号。
彼かなと思って出ると、やっぱりそうで。
私達は人混みをかきわけ、すぐに互いの存在を確認した。
予約していたお店に彼を連れて行くと、
テーブルに座った彼は、
「こんなに高いとこじゃなくてもよかったのに。なんか気を遣わせちゃったね」
と言った。
そこは雑誌なんかで取り上げられている有名高級レストランで、
確かに値段は気になったけど、私の出費は全く無駄にならなかった。
なぜなら別れ際に彼が、
「じゃ、今日のお礼に今度は僕におごらせて。また連絡するよ」
と言ってくれたからだ。