ILLICIT LOVE〜恋するタイミング〜

最初、トモシのことは名前しかわからなかった。


それでもこの出会いをこのまま終わらせてしまうのは絶対に嫌だと思って、


消防署見学が終わってから、私は彼にお礼の手紙を書いた。



図々しいかなとも思ったけど、こうするしかなくて。


私は手紙と一緒に、自分の携帯アドレスを書いたメモを消防署に送った。




〔よかったら今回のお礼に何かご馳走したいので、都合のいい日を連絡していただけますか?〕




…メールはこなくて当たり前。


きたらラッキーくらいに思っていたけど、




私は思惑通り、彼からのメールを受け取ったのだった。




[手紙ありがとうございました!食事、いいですよ。今週の土曜日お昼あたりにどうですか?影浦灯]




…たったそれだけのメールだったけど、


私は天にも昇る気持ちですぐに返事を打った。




[メールありがとうございました。土曜日オッケーです。12時頃駅前広場に来ていただけますか?着いたら電話してください。私の番号は090‐XXXX‐XXXXです。よろしくお願いします。本望万優子]
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