ILLICIT LOVE〜恋するタイミング〜

それから金曜日の夜まで、私はベッドに入る度に、毎晩ウシオのことを考えていた。




確かにこれまでウシオを振り回しておいて、


彼の気持ちに応えようとしなかったのは私だけど、




だからって、


さっさと他の女に乗り替えるウシオもどうなんだろう…。




あんなに私のこと好きだとか言ってたくせに、


他で簡単に手を打つなんて、


ウシオの私に対する気持ちって、その程度のものだったの…?




だったら、


あんなふうに好きとか言わないで欲しかったよ…。



いつの間にかその気になってた私がバカみたいじゃん…。






…そんなふうにウジウジ考え悩んでいたら、


だんだんあんな男にこだわる必要もないんじゃないかと思えてきたけど、


土曜日に劇団の練習に行って、相変わらず光る演技を見せるウシオを目で追っていたら、


やっぱり彼を愛しく思う自分がいて、


チョイ役のため彼と同じシーンに出れない自分が、なんだか急に惨めになった。
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