ハイスクールラブ
第三章 過去の扉
あれ以来、真奈美はすっかり元気をなくし、食欲もなく顔色も悪かった。
心配したちほがショッピングに誘ってくれた。

「真奈美、これ似合うんじゃん?」
ちほがワンピースを真奈美にあてがうが、真奈美はうん・・・と答えるだけだった。
その様子を見てちほが、ふーとため息をつく。

「あのさあ・・・本当にどうしちゃったの??何かあったんなら話してよ」

ちほは少しイライラして言った。

「私たち、友達じゃないの?困ってたり悩んだりしてる時にさあ、助けてあげたいって思うじゃん。私、あんたの悩み聞いて共倒れするほどヤワじゃないよ」

真奈美はちほを見つめた。真剣に自分を心配してくれてる。
わかっているが、紘季のあの時の顔を思い出すと、辛くて何も言えなくなるのだ。
真奈美は目に涙を浮かべた。

「私・・・」

目をぎゅっと瞑る。涙がはたはたとこぼれる。

「・・・外で話そう」

ちほは真奈美を連れて店の外に出た。近くのカフェでカフェラテをテイクアウトし、真奈美に一つ渡す。

真奈美は恐る恐る、紘季との出会いから、重田のこと、くみこのこと、6月29日に何かがあるのだということ、そして紘季にものすごい拒絶をされたこと、全て話した。
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