ハイスクールラブ
まず真奈美がしようと思ったこと。
それは辻村春人という人物を知ることだった。
それにはどうしてもくみこの存在を避けることはできない。
真奈美はくみこの家の住所、もしくは連絡先を誰か知っている人を探しに、夏休みの学校へ行った。
運動部に所属する生徒がちらほら見られるが、やはり普段の学校とは様子が違い、空間が広い気がする。
「あれー?真奈美、なんでいるの?部活なんかやってないじゃん」
同じクラスの女子が声をかけてきた。
「うん、ちょっと。ねえ、くみこの家ってどこか知ってる?携番でもいいけど」
「くみこ?知らないなー。」
だよなあ、と真奈美は思った。そもそもくみこは女友達が少ないのだ。男子をあたってみた方がいいかも知れない。
「でも、今日吹奏楽部来てたよ。さっき何か知らないけど校庭走ってたもん。体力作りってやつ?・・・くみこって吹奏楽じゃなかったっけ?」
真奈美はハッとして顔を上げた。
「そうなの!?知らなかった。どこでやってる?」
「えー?音楽室とかじゃね?・・・あ、あそこにいるの吹奏楽の子だ。帰るっぽいよ。終わったんじゃん?」
真奈美はありがと!と言って、玄関の方に走った。ぞろぞろと生徒達が靴を履き換える。くみこは見当たらない。
真奈美はとりあえず待つことにした。
風が吹くこともなく、汗が吹き出る。
カツンと音がする。
顔上げるとくみこが立ってこちらを睨んでいた。
颯爽と歩き出し、真奈美を無視して帰ろうとする。
「待って!」
真奈美は思わずくみこの腕を掴んだ。
くみこは明らかに嫌そうな顔をして無言で腕を振り払った。
「・・・教えて欲しいの。お兄さんのこと」
真奈美がそう言うと、くみこは眉を寄せた。
「何・・・言ってるの?」
真奈美はゴクリと喉を鳴らした。喉が異常なほど渇いているのは暑さのせいだけではなかった。
それは辻村春人という人物を知ることだった。
それにはどうしてもくみこの存在を避けることはできない。
真奈美はくみこの家の住所、もしくは連絡先を誰か知っている人を探しに、夏休みの学校へ行った。
運動部に所属する生徒がちらほら見られるが、やはり普段の学校とは様子が違い、空間が広い気がする。
「あれー?真奈美、なんでいるの?部活なんかやってないじゃん」
同じクラスの女子が声をかけてきた。
「うん、ちょっと。ねえ、くみこの家ってどこか知ってる?携番でもいいけど」
「くみこ?知らないなー。」
だよなあ、と真奈美は思った。そもそもくみこは女友達が少ないのだ。男子をあたってみた方がいいかも知れない。
「でも、今日吹奏楽部来てたよ。さっき何か知らないけど校庭走ってたもん。体力作りってやつ?・・・くみこって吹奏楽じゃなかったっけ?」
真奈美はハッとして顔を上げた。
「そうなの!?知らなかった。どこでやってる?」
「えー?音楽室とかじゃね?・・・あ、あそこにいるの吹奏楽の子だ。帰るっぽいよ。終わったんじゃん?」
真奈美はありがと!と言って、玄関の方に走った。ぞろぞろと生徒達が靴を履き換える。くみこは見当たらない。
真奈美はとりあえず待つことにした。
風が吹くこともなく、汗が吹き出る。
カツンと音がする。
顔上げるとくみこが立ってこちらを睨んでいた。
颯爽と歩き出し、真奈美を無視して帰ろうとする。
「待って!」
真奈美は思わずくみこの腕を掴んだ。
くみこは明らかに嫌そうな顔をして無言で腕を振り払った。
「・・・教えて欲しいの。お兄さんのこと」
真奈美がそう言うと、くみこは眉を寄せた。
「何・・・言ってるの?」
真奈美はゴクリと喉を鳴らした。喉が異常なほど渇いているのは暑さのせいだけではなかった。