ハイスクールラブ
「ううん。いいの。謝らないで・・・」

やっとの思いで、平気なフリをしてそう言った。

「でも、もう俺とのこと・・・忘れて欲しいんだ」

紘季は真剣な表情を崩さずに言った。
紘季とセックスしたことを忘れろと言っているのだ。

「私・・・藤くんが好き」

真奈美は紘季の目をまっすぐ見つめて言った。

「何回拒否られても、何回でも言う。藤くんが好きなの」

紘季は戸惑った表情をしていたが、何も言わず真奈美から目を逸らし、窓の外に視線を移した。

(藤くん・・・。私、そこまで行くよ。藤くんが今いる、深い海の底まで行くよ)


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