ハイスクールラブ
「広瀬、大丈夫か・・・?」
「今の、聞こえた・・・?」
「え?」

真奈美が紘季の腕を掴んで声を上げた。

「今の、聞こえた!?春人さんが」
「おい・・・」
「いるよって!いつも紘季の側にいるよって!」
「・・・何言ってんだよ」

紘季は明らかに戸惑った様子で真奈美を見つめた。
真奈美は混乱して視線を紘季から空中へ視線を彷徨わせた。

「・・・気のせいなのかな!?でも、やっぱり聞こえたよ!いつも紘季の・・・」
「もういい・・・!」

紘季が真奈美の肩を掴んだ。
真奈美はまた怒られるのだと思い、不安げな顔で紘季を見た。

「藤くん・・・嘘じゃないよ・・・。冗談でこんなこと言わないよ・・・」
「わかってる。もう、いいから・・・」

紘季は泣いているように見えたが、雨でわからなかった。

真奈美は確かに春人の声を聞いた。

『いつも紘季の側にいるよ』

真奈美は春人がわかってくれたという嬉しさを感じて涙が溢れてくるのを我慢できなかった。紘季がそっと肩を抱いてくれる。
今までの苦労や辛さが思い出されて、真奈美は声を上げて泣いた。
雨がバタバタと音を立てて地面に落ちる。

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