超能力者が高校生!?

「問題？」
「ああ。まだこの国に超能力者がいるってだけで、住民は恐怖を覚えたんだ。そして、自分たちの手で何とかしようと、超能力者たちを迫害したんだ」
「じゃあ、その中には、殺しもあるってことなのか？」
「そういうことだ」
この言葉を最後に、部室には重たい沈黙が流れた。それはギャグがすべったとかそういう空気ではなく、自分たちにも関わっているということを自覚させられるものだった。
「それで、この同好会との関係は？」
「ああ、そうだったな。じつはここの校長がその議員の古い友人で、ぜひとも学園に同好会を置かせてほしいと頼んだんだ」
「どうしてここを？」
「校長も友人のためか、その考えに同意したんだ。まあ能力のことは知らないんだが。生徒たちに超能力について知ってほしかったんだろう」
「なるほど、つまりここは一種の超能力者たちの隠れ家ってことか」
「そういうことだ」
その時、急に壁にかけてあるいすが倒れた音がした。藤沢は驚いて立ち上がっていた。ただ、さっきとは様子が違い普通のリアクションをとっていた。
「ん？部長か？また能力使って驚かせないでほしいな」
「・・・？違うけど。誰なの？」
壁に話しかけるが、意味はきっとないと思う。
「きっとバランスでも崩したんでしょ？ところで坂上、あんたもちろん同好会に入ってくれるわよね？」
「え？ええっと・・・」
「さっきの話着たでしょ？あんたのためを思って言ってるのよ」
「まあ、そうだよな」
確かにこのまま普通に過ごしていれば、俺もただで済まないはずだ。
「入る？」
ここは迷っていても仕方がないと思う。俺は・・・。
「わかった、入ってやる」
「本当に？」
「ああ」
「凛？」
「うん、ちょっと心を覗いてみたけど、嘘じゃないなー」
わざわざ藤沢を使って確認しやがったな。
「じゃあ、入ったってことで、歓迎会でもしましょう！」
「それはいいな、どこにする？」
倒れたいすを直しながら、土田が問いかけた。
「もちろん、カラオケ！」
「何でカラオケだよ？」
「いいじゃない、きっと楽しいわよ！ささ、早く凛も直輝も、あと新入り君も！」
「はいはい・・・」
と返事しながら、俺は白鷺に付いていった。