超能力者が高校生!?

出会い

俺が今使っている机はかなり古い。もちろんほかのやつのもそうであり、中には草の芽が生えているやつがある。俺は遂それに近づいてしまう。とは言っても、休憩時間中に行くことはなく、大体は放課後に行ったりしている。そして、今もそうである。誰も居らず、外では声が聞こえるくらいだった。今ならと、俺は準備にかかる。
芽が生えている机に近づき、ゆっくりと手をかざした。みるみるうちにその芽は元気を取りもどし、少しずつ大きくなっていた。少しずつ、大きく・・・・
「ちょっと!何やってんの!!」
ふと大きな声が教室の入り口で聞こえた。ツインテールできれいにまとまった髪で、身長は俺と同じぐらい。同学年だろうか?そして、今にも襲ってきそうな獰猛な目。やばいと思い、ふと手を引っ込めた。しかしすでに遅く、その女子生徒はこっちに近づいて来た。
「あんた!何やってたの?」
「べ、別に・・・」
「嘘つかないで!さっきあんたがあたしの机の前に立って手をかざしたらその芽が急に生えたのを見たんだから!」
見たんなら教えろよ、ということはできず、とにかくシラを切るしかなかった。
「どうしても言わないんだったら・・・」
と言うと、そいつは教室の隅に置かれている道具箱の方を向いた。すると突然、道具箱が急に開き、中からカッターが飛んできた。危ないと思い、とっさに目を瞑った。目を開くと、そいつがカッターをこっちに向けていた。
「ひっ・・・」
「早く言いなさい!さもないと・・・」
「わ・・・分かった!言うから離してくれ!」
そう言うとそいつは俺から離れ、俺の方をじっと見ていた。俺は止まらない心臓と、そいつがつかんでいるカッターで緊張に追い込まれていた。
「で、あれはあんたがやったの?」
「あ、ああ・・・」
「どうやって?」
「ど、どうやってって・・・」
「どうやって!」
そいつの口調が荒くなって俺はまたへっぴり腰になってしまった。ここはもう正直に言うしかない。
「手を・・・かざした」
「それだけ?」
「それだけ・・・」
「ふーん」
と最後に言って、そいつは教室をうろうろし始めた。うーんと唸ったり、俺をちらちら見たりとの行動を繰り返していた。やがて歩くのをやめ、俺のほうに向かってこう言ってきた。
「あんた、超能力者でしょ?」

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