liftoff
振り返ってみたけれど、どの辺だったか、もう思い出せない。
仕方がなく諦めて、わたしは、そこで反対側に渡ることにした。
交通量が多いその通りだけれど、その反対側にはスーパーマーケットがあって、そのおかげで、そこは歩行者が多い。
さすがのトゥクトゥクも徐行していくのだ。
車の切れ目を狙って足早に渡りきると、とりあえず、わたしは、そのスーパーに入って、冷房に当たりながら、体も思考も、一休みすることにした。
ずっと歩きづめで、少し疲れていた。
その冷えた空気の中をうろうろしながら、わたしは、身体ごと、ホッとしていた。
夜だとはいえ、空気はじっとりと湿っていた。そして、人や車の多いせいで、熱気も思った以上。それに、昼間の日焼けがヒリヒリと痛み始めてもいたのだ。
いっそのこと、このまま、ここで適当に何か買って、ホテルへ戻ってしまおうか、と、スナック菓子の棚で、ちょっと物色してみる。
けれど、タイ語オンリーのパッケージ。一体どんなものが売っているのか分からずに、手がでない。
仕方なく、シンハビールだけ手にしてみたけれど、やはり、せっかくだから、このまま帰る訳にもいかない、と意地が頭をもたげる。
手ぶらで店を出ると、わたしは、またふらふらと歩き始めた。
と、そこに、庭の広い、雰囲気の良いレストランが現れた。
白い壁にロココ調の装飾が施された店。
一階建てで、それほど大きくもない。
けれど、ポーチの傍らにある小さなスピーカーからは、シュミの良いピアノ曲が流れてきている。
その辺りには珍しく、きちんと一軒仕切られた店で、大きな、重そうなドアもついている。窓から覗いてみると、そこでは、初老の男性が、ピアノを弾いているところだった。きっと、此所に流れている音は、中の音を拾って流しているに違いない。
そう思いながら、いつの間にか、わたしは、ドアを押し開けていた。
知らず知らずのうちに緊張していたのか、自分でも分からない間に、わたしは、ピニャコラーダと、パイナップルチャーハンをオーダーしていた。
仕方がなく諦めて、わたしは、そこで反対側に渡ることにした。
交通量が多いその通りだけれど、その反対側にはスーパーマーケットがあって、そのおかげで、そこは歩行者が多い。
さすがのトゥクトゥクも徐行していくのだ。
車の切れ目を狙って足早に渡りきると、とりあえず、わたしは、そのスーパーに入って、冷房に当たりながら、体も思考も、一休みすることにした。
ずっと歩きづめで、少し疲れていた。
その冷えた空気の中をうろうろしながら、わたしは、身体ごと、ホッとしていた。
夜だとはいえ、空気はじっとりと湿っていた。そして、人や車の多いせいで、熱気も思った以上。それに、昼間の日焼けがヒリヒリと痛み始めてもいたのだ。
いっそのこと、このまま、ここで適当に何か買って、ホテルへ戻ってしまおうか、と、スナック菓子の棚で、ちょっと物色してみる。
けれど、タイ語オンリーのパッケージ。一体どんなものが売っているのか分からずに、手がでない。
仕方なく、シンハビールだけ手にしてみたけれど、やはり、せっかくだから、このまま帰る訳にもいかない、と意地が頭をもたげる。
手ぶらで店を出ると、わたしは、またふらふらと歩き始めた。
と、そこに、庭の広い、雰囲気の良いレストランが現れた。
白い壁にロココ調の装飾が施された店。
一階建てで、それほど大きくもない。
けれど、ポーチの傍らにある小さなスピーカーからは、シュミの良いピアノ曲が流れてきている。
その辺りには珍しく、きちんと一軒仕切られた店で、大きな、重そうなドアもついている。窓から覗いてみると、そこでは、初老の男性が、ピアノを弾いているところだった。きっと、此所に流れている音は、中の音を拾って流しているに違いない。
そう思いながら、いつの間にか、わたしは、ドアを押し開けていた。
知らず知らずのうちに緊張していたのか、自分でも分からない間に、わたしは、ピニャコラーダと、パイナップルチャーハンをオーダーしていた。