ジェンガたちの誤算

個別練習を終えてPHSを見ると
茉莉恵から連絡が来ていたので折り返した。

「もしもし」

『あ、ももちゃん？練習終わった？』

茉莉恵の声がいつもより高かったけれど、
とても落ち着いたしゃべりかただった。

「終わったぁ、対馬先輩やっぱりキレイだよ～」

『あらそう、ももちゃんにクッキーをくれた子も、
　そんな淡い憧れの気持ちだったらいいけどね』

「な、んで知ってるの」

『今、彩紗たちと駅ビルのゲーセンにいるの、来なよ』

質問の答えになっていない茉莉恵の誘いと、
彩紗【たち】と言うのが気になって、私は下駄箱へと急いだ。