da capo
レイはなんだか胸の辺りがムズムズしたの。

上京してから、しばらく忘れていたこんな気持ち。

声を褒められたのなんて久しぶりだった。

だから、照れ隠しに

「歌ってあげてもいいけど、その前にちゃんと前髪切りなさいよ」

って笑ったわ。



レイがヒロくんの提案に頷かないわけなかったのよ。

純粋に嬉しかったし、
普段あまりしゃべらないヒロくんが何を考えてるのか、歌詞を見れば分かるわけでしょ。

レイは歌が出来上がるのが楽しみで仕方なかったわ。



そうね、この約束が2人の距離をとても縮めたのかもね。



それから数日は、何もなかったわ。

レイは相変わらず忙しい毎日、ヒロくんはずっと黙ったまんま。
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