da capo
それから、また数日たったある日、ヒロくんはレイに言ったわ。
「……歌が、出来たよ」
レイに切ってもらった前髪をかきあげながら、もちろん流し目で、4枚の楽譜が書かれた紙を彼女に渡したの。
素敵な歌だったわ。
レイは一応スクールに通ってるぐらいだからね。
楽譜を見ただけで、すぐに分かったわ。
だけど、あえて彼女はヒロくんにこう言ったの。
「ねぇ、ちょっと歌ってよ。
音が取れないわ」
ちょっと困った顔をしながらね。
だって、音取るものが何もないレイの家で歌を作ったなんて、ヒロくんのお手並み拝見してみたくなったのよ。
「絶対音感なんでしょ?」