「私」にはなかった「モノ」【実話】
帰り道はほとんど真直ぐ。
曲がるのは一度だけ。
田舎道を二人で歩いていく。



「お前さぁ、気分悪いならすぐ言うの。」

「いやだってさ?別に倒れたりなんかはしないだろうとさぁ~」

「ま、あたしはサボれたからいいけど。」



笑いながらいつもより少しだけゆっくりと歩く。

気を使ってくれているのがわかる。
嬉しいと思った。
よっちゃんくらいだろうな、こんなに気を使ってくれるのは。


帰る途中に、今日は暑いから余計に貧血おこしやすいんだ。と言って、アイスを奢ってくれた。

帰ってから食べた冷たいイチゴ味のカキ氷は、格別に美味しかった。
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