君ノ存在理由
そんなブルーになった俺の気持ちがわかったのか
慰めるように話しかけてきた
「あっ、ごめんなさい。気を悪くなさってしまいましたね…。」
しゅん と、うつむいた彼女は何故か誰よりも哀しげに見えてしまった
気のせい…だろうか?
「とにかく話は理解できたんだし、教室に行こうよ!!」
俺は場の雰囲気を明るくしようと話しを切り替えた
さすがに2時間もさぼってはいけないだろう と、
常識の染み付いた自分が言った
「はい、そうですね。」
「さっさと行くぞ。」
2人は立ち上がって俺の前を歩き始めた
「あ、お願いがあるんだけど…。」
俺は立ち止まって言った
「なんでしょう?」
本城知紅だけは振り返ってこちらを見た
う、眩しすぎる
「学校で主って呼ぶの、なんとかならないかな?」
北神麗汰がいきなり振り返ってきた
こえぇ~、やばいだろ、これ
「なんて呼べばいいんだ。」
ん?珍しいな、こんなに食いつくなんて
なんか心の変化でもあったのか?
「いや、普通に呼び捨てとかさ。」
「呼び捨て…」
2人の声がハモる