好きだからBLの恋
 久音が極度の女性嫌いになったのには、理由がある。

 父親が仕事で海外に出張で行くことは度々あったものの、長期ということはなかったが、久音が中学1年生の頃、会社の社運をかけた海外プロジェクトが立ち上がり、社長として、父親が1年間海外に行かなければならなったのだ。

 期間は1年間ではあるが、それに伴う接待やなどが付随する。
 父親にはパートナーが必要であり、さすがの母親も自分の仕事を休んでまでついていく事となった。

 たった1年ということで、久音と風人は親戚に預けられることになったのだが、事情により2人を同じところに預けることが出来ず、兄弟バラバラの場所にお世話になることになった。
 そこで久音の運命は大きく別れる。

 久音の預けられた家は、大学生から高校生の4人姉妹がいた。

 彼氏がいない4人姉妹の中に、見栄えも良く、大人しい久音が投げ込まれれば、結果は火に油を注ぐようなものだった。
 まして預けられた身では、立場的に弱いと判っている。

 過剰な干渉。
 セクハラとしか思えないような、行き過ぎのスキンシップ。
 女性4人相手では、まだ中学生の久音では敵わない。
 まして、女性に暴力をふる事をよしとしなかった為に手加減するしかなく、その状態で4人を相手に抵抗することは不可能だったのだ。

 エスカレートしていくまでにはそれほど時間はかからず、しかも、最終的には4人による強制的に性行為が行われるまでに至った。
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