ハッピー・バレンタイン


(――勇太だ!)

あたしは慌てて校舎の陰に隠れた。
だって勇太一人じゃない。
一緒にいる女子は三年生の、勇太と仲が良い、可愛い、って評判の先輩。

あんまり仲良いし彼女じゃないの、なんてウワサされてたのを思い出して、ゴミ箱を握る手に思わず汗が滲む。

二人が何してるかなんて、雰囲気で分かっちゃう。

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