ハッピー・バレンタイン
「…菜々」

ひどく真面目な勇太の声。表情。

ドキン。

心臓が高鳴る。

勇太は鞄からきれいにラッピングされたチョコレートキャンディの箱をあたしに差し出した。


「オレ、菜々が好きだ」

――音も、風も、光も。全部が止まった。

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