answerS
・絶望に変わる瞬間
「夢太、なんかやつれてね?」
チカはそう言って僕にかけよってくる。
「大丈夫だよ、僕今気分いいから」
やつれて見えるのは最近食べ物を口にしていないせい。
それ以外は別になんともない。
気にとめてくれたチカにありがとうとお礼を言って、さっそく訓練を始める事にした。
僕はある物を探してコンクリートの壁を見渡した。
そして直ぐに扉の近くにある一部色が微妙に違って見える場所を見つけた。
僕はそこまで歩いていき、変色した部分の壁を殴ると中からレバーが出てくる。
「これ使った事ある?」
僕がそう尋ねると、チカはブンブンと首を横に振り、シッキョウは覚醒したらしく目をパッチリと見開いていた。
この機械を使った事がないと言う事でいかに他の子達が暮羽さんに大事にされてきたかがわかったような気がした。
…そして同時に暮羽さんに対する憎しみが増えて行くように思える。
中から出てきたレバーを力を込めて降ろすと訓練場の左角の床が開き、地下へと続く階段が出てきた。
暫く使われていなかったようでホコリが舞い上がった。
「…すっげっ、何コレ?!カッコいいーじゃんっ!」
出現した階段に目が釘付けになっているチカに少し申し訳なく思いながら二人を連れて階段を降り、地下へと向かった。