あなたが一番欲しかった言葉
焦れば焦るほど、下半身にまったく力が入らなかった。
顔が上気し、汗ばかりが吹き出てくる。

「ごめん・・・うまくいかないみたいだ」

すらりと伸びた真梨子の足元で、ただただ、うな垂れるしかなかった。
こんなに惨めなことはない。

「自分でも・・・分からない。
真梨子をこんなにも抱きしめたいと思っているのに」

「・・・あたしじゃ、だめなのかな」

真梨子が悲しげにつぶやいた。

「そ、そんなんじゃない、そんなんじゃないよ。
ただ、どうしてだろう、あんまりにも真梨子が綺麗すぎて、本当に抱いていいのだろうかっていう気持ちがどこかにあって・・・ごめん、自分でもよく分からない」
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