あなたが一番欲しかった言葉
「あああ、ヨシ君---!!!」


受話器の向こう側の女性は、そう言ったきり、嗚咽らしき声を漏らしている。


「もしもし、もしもし?誰?」


「ヨシ君、あたしです、真梨子の母です!」


「えっ、真梨子のお母さん!?」


ただ事ではない気配を感じ、背筋がぞくっとした。


「どうしたんですか、こんな夜中に」


「病院から電話があって・・・」


「びょ、病院って・・・」


「イサム君と真梨子が乗った車が、事故を起こしたって」


真梨子の笑顔が、脳裏にフラッシュバックした。
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