あなたが一番欲しかった言葉
「もういいよ。照れるからもういいよ。ねえ、真梨子・・・」

これから口に出そうとする告白に、心臓がどくんと波打った。

「もうとっくに知っているかもしれないけど・・・うん」

喉がからからになり、呼吸が苦しくなる。

小さく息を吸い込んでから、想いのすべてを伝えた。


「大好きだ。ずっと真梨子のことが好きだった」

顔が熱い。血液のすべてが顔に集中したみたいだ。

恥ずかしさに挫けそうになるが、もう一人の自分が『今伝えなきゃ、いつ伝える?』とはっぱをかけてくる。
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