微熱
さすがにそれはひどい。
不器用ながらに頑張ってるのに、まずいなんて言われたら泣きたくなる。

「なんちゃってー」

「……え?」

「なかなかいんじゃね?やっぱりちょっと固いけど、味はまあまあ」

「ほ、本当に?」

あたしの言葉にユキは頷いた。

「じゃあ明日もっかい作ってみんぞ。そしたら明後日は自分で頑張れ」

「明後日は来てくれないの?」

「ばか、俺が手伝ったらダメだろ」

ああ、そっか。
ユキに手伝ってもらったのを佐倉くんにあげるわけにはいかないよね。
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