微熱
それからはもうケーキケーキケーキ。
授業中もきちんとレシピを確認して、材料も1人で買いに行くことができた。
ユキが手伝ってくれなくても大体は作れるようにもなった。


「うん、美味い」

「やった!」

「昨日より上達したな。固くねーし、色も形も文句なし」

「へっへーん」

「明日とちんなよ」

「大丈夫!ユキが手伝ってくれたんだから、絶対上手く作れるよっ」

「ん、じゃあ報告待ってる」

ユキがそのまま帰ろうとしたから、あたしもコートとマフラーを持って追いかけた。

「送る!」

「いいよ、帰り危ないだろ」

「じゃあマフラー貸してあげるっ!」

「いいって。早く家入れ」

そんな言葉を無視してユキの首に、お気に入りのマフラーを巻き付ける。
あたしには長いマフラーでも、背の高いユキにはちょうどよかった。
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