初恋+one
“創平って好きな子いないの?”
あかりにそう言われて、
一瞬だけ体がびくついてしまった。
言われた瞬間俺がどんな顔をしていたのか
見てみたい。
・・・・・・やっぱ見たくない。
そうして聞かれた瞬間頭をよぎったのは、
忘れもしないあいつの顔。
もう2年も経つのに、
一向に俺の頭から消える気はなさそうだ。
2年前のあの出来事は、
今でも鮮明に思い出すことが出来る。
あんなに頭に血が上って、
あんなに悔しくて、
あんなに悲しかったのは、
今までになかったと思う。
もう女なんかいらねぇ。
本気でそう思った。
だからうわべは仲良くしても、
本当に心を許すようなことはしなかった。
そしてあいつから逃げていた中学が終り、
あいつと別の高校に入ってあいつから離れた。
やっとあいつから開放されたと思ったのに、
どこかあいつに似ている
あかりに出会った。