RIRIA

踊れる一夜

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次の日、

王女が城内にて、久しぶりに国王と王妃との食事を楽しんでいる場には、リアの姿もあった。
楽しそうに会話を楽しむ親子の姿を見ながら、リアは目を細める。


思えば、自分と父は何年このように普通の会話を楽しんでいないのだろうか。
元々、口数の少ない父ではあったが、最も明確な、今のように厳しくなったきっかけは、恐らく……。

考えこんでいたリアに王妃が、声をかけた。

「リアトレーゼン。あなたにはいつもエリザベスが迷惑をかけて、本当に感謝していますよ」

「勿体無いお言葉……」

二人の前に、リアは跪(ひざまず)く。

「アレックスは厳しい男だからな、君も、苦労しているだろう」

「いえ……父のことは尊敬しています」

「そうか、君は本当に偉いな……本当は、君こそエリザベスに相応しいはずなのだが……」

「あなた……」

考えこんだ王を、王妃がたしなめる。
エリザベスは視線を落とし、4人にしばらくの沈黙が流れたが、やがてリアは微笑んで言った。

「私は、まだまだ未熟者ですね」

「リア……」

心配そうに、エリザベスが声をかける。
それに向けてもまた微笑んで、リアは口を閉じた。

「ぉ……おお、そうだ。エリザベス。この前隣国で……」

流れを変えるように話し始めた王のおかげで、やがて、会話は元のように明るく戻った。



(ああ……本当に私は未熟者だ……)
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