キミと、世界の果てまで。



…さっきまで、朱里が食い入るように見ていたニュース。


それは、「近々地球が滅亡する」という、根拠がよく分からない話を元に製作された、特集だった。



あたしは、そういう形の見えない事実は一切信じない、お気楽主義。


だから、朱里が夢中になっていた理由が、イマイチ理解出来ないんだけど…。




「おはよう、未来(みらい)」



「あ、寛司(かんじ)!今日も気合い入ってんねぇ!」




朝から脳を必死に使っていると、ふと聞きなれた男の声が、神経を伝わってあたしの耳に入ってくる。


操られるようにスムーズに振り向くと、そこには、小学校からの腐れ縁の沖沼寛司(おきぬまかんじ)が立っていた。



田舎にしては目立ち過ぎる金髪に、存在感を滲ませているピアスを付けた寛司は、ここらではちょっとした有名人。


そんな寛司とは、小中高と学校はおろか、クラスまで同じという、恐ろしい記録を樹立してしまった覚えがある。



…小学生の頃なんかは、あたしと寛司がよくカップル扱いされたっけ?




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