ヒサイチ
どっちがどうせこいんだかよく分からないが、私は自分が想像していたのと違うお好み焼きが食べたくなったので、ヒサイチにしつこく勧められても海老は頼まなかった。
ヒサイチはきれいに切り分けられたお好み焼きの一切れを私のお皿に入れてくれた。
六等分に切り分けられたお好み焼きには海老は少ししか入っていなかった。
「海老、小さくなっちゃった」
私は少し甘えたように言ってみた。
「自分でいいって言ったんだから、それでいいだろう」
ヒサイチは真面目な顔で言う。
「うん」