ヒサイチ

「本当?」


私はヒサイチの言葉に少し救われた気がした。

ヒサイチの成績が悪いから、彼が何も考えてないと思い込んでいた。


だけど本当は、彼は物事をよく考える子供だったんだ。


表面で人を決め付けていた私が、本当の馬鹿だったのかもしれない。


「ああ、本当だよ。だけどお前、中学で一緒のクラスになったときも態度悪くてさあ。俺、ほんと一瞬、カーとなってやばかったよ」


「ごめん」


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