ヒサイチ

「いや、謝らなくてもいいけどさ。お前の態度が最悪だった日、放課後お前が裏庭でしゃがみ込んで何かやっていたみたいだったんだけど、太腿出してパンツも見えそうになっていて、思わず襲ってやろうかと思ったよ」

「えっ、何で?」


中学生の頃のヒサイチの姿がおぼろげだが目に浮かび、私は急に顔が火照った。


あの少年がそんな事を思ったことがあるなんて。


「まあ子供だったからな。力づくで思い通りにしてやりたいって欲求があったんだろうな。まあでも良かったよ。あの時、間違ってそんなことしていたら、今、お前とこうしていられなかっただろうから」


私はヒサイチの告白になんて答えてよいか分からずに、黙り込んでしまった。

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