ヒサイチ
だけどずっと信じて疑わなかった『安心できるもの』が、一瞬の内に世の中で一番信じ難いものに変わってしまった。
そのショックから全く離脱できていない私は、流されるままにヒサイチの車に乗ってしまったのかもしれない。
「どこに行こうか?」
「どこって言われても・・・」
「朝飯は食ったか?」
「朝ごはんはほとんどいつも食べてないから。たまにゼリーとか飲むけど」
「じゃあ、今日はまだ何も食べてないのか?」
「うん」
「じゃあ何か食べるか」