ぬくもり
腕に力が入る

ギューッと抱きしめられた



「…けーちゃ…?」


「…辛かったでしょ?」





なんでそんなに優しくするの?


仕事放り出して、どうしてこんなとこまで来てくれたの?




期待しちゃうよ


また離れられなくなっちゃうよ




まだ数えるほどしか抱きしめられたことないのに、なんでこんなにあなたじゃなきゃダメなんだろう




どうか今だけ


あたしを包んで―



ずるくて弱い

脆くて子供な




間違いを侵したあたしを





あなたの

ぬくもりで


包んでください――









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