合計5日のお付き合い。
私の話を久遠は黙って聞いていた。

思い出したくもなかったのに。

口に出すのも嫌だったのに。

私は久遠の腕の中でわんわん泣いた。
大人しい私でも、がさつな私でもない。

ただの怯える少女になっていた。

久遠はしばらく考えていたようだが、授業終了のチャイムと共に、私を立たせて、手を引いて校舎へ入ろうとする。

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