あかねいろ

新た


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―――――――

12月31日


今年最後の朝


夕陽は目を覚ました。


明るく射し込む日を浴びながら、ほけーと想いに浸る。


高校生になって…色々あったなぁ…


悲しくて沢山泣いたけど、

嬉し泣きも沢山した。


4月の時は、どうなるかと思ったけど

友達ができて、みんなと仲良くできてる。

拓ちゃんとももう、大丈夫。


新しい出会いも…

新たな別れも…

きっとあたしの力になる…。


沢山の想い…

大事にしよう…


よし!!

来年も頑張ろう♪

恋もしよう!!


トン!

とベッドから飛び起きた。


ピンポーン!!



誰??


同時にチャイムが鳴った。

時計を見ると9時

"郵便かな?"とインターホンをとる。


『はぁい?』

『眠い…』


はい??!


『誰…?』

『俺』


…?

あぁ…って!!


『ひ、大斗?!』

『あー』


気のない返事…

全くいつも唐突なんだから…って


『あたし…今起きたんだけど…』

『だからなんだよ?早く開けろ』


コイツ…相変わらず勝手っ

って…あたし


『パジャマだしね…ちょっと待ってよ…ッ』


夕陽は急いで着替えをした。

そして、軽く化粧をしてドアを開ける。



『おせーよ』

ぼーっと大斗は言いながら、当たり前のように部屋に入ってくる。

『ちょっと…何用?!』

夕陽は自分の家なのに慌てて大斗の後を追った。


『腹…減った…』

彼はフラフラ歩みを進める。

『あのぉー?大斗さん?』


何なのよ…?!


『今日携帯買うから付き合え。後、夜年越しの時間言いに来た…』

と虚ろに言って勝手にソファに寝転んだ。


『スパゲッティにしてね…』

そうしてクッションを頭の下に敷く。


『ちょっとっ?!アンタ本当に何な訳?勝手に人ん家来て、図々しわね?!』

『うるせぇな…だって…夕陽だろ…?』


どんな意味よ?!

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