あかねいろ

『何って…昨日…』

『だから?』


いくらなんでも、こんなふうに言うのは酷すぎる。

大斗は、そんなに怒る事?


なんか…

やっぱムカツク…





『もういい!!謝ろうと思ったのに、そんな風にすることないじゃん!!やっぱり大斗のあんぽんたんっ!!!』

夕陽はそう言うとバタバタ階段を降りて行った。


何なんだよっアイツ…!!

アイツが悪いんだ。

アドレス交換なんかしやがって…





はぁ…?

ちょっと待て…



悪いことじゃねぇんじゃねぇか?


……


でもイライラする。


だからムカツク。



大斗は荒々しく屋上の鍵を開けた。


『大斗くーん♪』

能天気な声で大斗を呼ぶのは


『恭次…居たの?』

大斗は素っ気なく言うと恭次の隣に座る。


『何か揉めてたねぇ?』

『聞こえた?』

『ひぃちゃんの大声がね。昨日と言い今と言い、また大斗は何したの?』


『別に何もしてない。普通に話してたら怒らせた?』


『どーだかね…?』


はぁぁぁー…

恭次は大袈裟にため息をつく。


『何だよ?』

恭次の様子を見た大斗は機嫌悪く言い睨み付ける。


『「何だよ?」じゃないよ。お前…自分の気持ち分からないからって俺に八つ当たりしないでよ。』



『何だよ…それ…』


小さく言うと、大斗はパタンと寝転んだ。

真冬の冷たい空気が大斗の頬を掠める。

太陽が隠れている空は大斗のモヤモヤしている気持ちを映しているようだった。



『恭次ー俺…やっぱ、何か…変だ』


そして腕を顔に被せて続けた。

恭次はそんな大斗を「やれやれ」と小さく呟き見ていた。


< 280 / 469 >

この作品をシェア

pagetop