だって、女なんだもん… 仕方ないじゃん!
「ご馳走様でした」
私と恵は、淳也にお礼を言った。


「じゃ、気を付けてね」
淳也が、私達に手を上げながら言った。
そしてそのまま、タクシーに乗って帰って行った。


私は、淳也の乗ったタクシーを、見えなくなるまで見送った。


「いいの?本当は、一緒に帰りたかったんでしょ?」
恵が、茶化した。


「いいの」

「本当に?無理してない?」

「本当に。無理してない」

「なら、いいんだけど…」
恵は、歩き出した。

私も、恵を追いかける様に歩いた。




本当は…

帰り際に、淳也が私に耳打ちした。

「帰ったら、連絡するから」と…


ほろ酔い気分で聞く、淳也の声は更に私を、深い酔いに誘う。


私の、好きな香水の香り。

タバコの吸わない、息。


酔ったフリをして、寄り掛かりたかった。

なのに、あの頃の私には、無理な話。

いつも受け身で、恋に積極的になれない、自分がいた。

そんな自分が、もどかしい…


バッカみたい…

あの頃の、私…



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