魔王さま100分の1
「真ん中に爪を立てて割るんだよ」

言われたとおりにすると、茶色の皮の中から黄色の実が出てきた。

口にふくむと甘い味が広がる。

「美味い」

シルキスは、素直に感想を言った。

「ありがとう。直に褒められると嬉しいねえ」

女将は、商売抜きの笑顔を見せる
この喜び方、生産にも関わっているのだろうか?

仮に、演技だとしたらたいしたものだ。

シルキスは一人前の代金を渡し、残りの栗を受け取った。

「これは日もちするのですか?」

魔王さまへのお土産をさっそく発見。

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