魔王さま100分の1

魔王さまは、言う。

「仕方ない、さっきのおまえの案を採用してやる」

「どの案ですか?」

「祭りだ。貯めすぎの食料を使って、おまえがここで私のために祭りをひらけ」

「つまり収穫祭当日は、僕はここに来て魔王さまとふたり祭りで過ごすということですね」

「違う。その日のおまえは休みだ」

「ここの祭りは?」

「今日、今からすぐ用意するんだ」

「今からですか?」

「期待してるぞ。一年で一番楽しませてくれるのだろう?」

久しぶり。
魔王さまは、いーっと笑った。

「今からの準備ですと、始められるのは夜ですね」

「夜祭か、いいぞ。魔王の私にふさわしい」



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