魔王さま100分の1

「来年は窯だぞ。ちゃんと場所は残してあるだろうな」

「あのあたりの予定です」

シルキスが見せるのは、レンガが詰まれた一角。
ちゃんと、それっぽく仕切ってある。

「ふふ、楽しみだ」

笑う魔王さまに、子犬の歯が見えた。

「魔王さま」
「なんだ?」

「収穫祭の日は、本当に休んでいいのですか?準備をちゃんとすれば、ここでもっとしかっかりした祭りができますよ」

「いい。おまえは、おまえの仲間達と共にいろ」

「僕の仲間ですか」
「そうだ、人間達だ」

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