魔王さま100分の1

「損得抜きで力をふるってくるおまえだ、この町の人間にしたわれてるだろう」

「はい、まあ、どこに顔を出しても歓迎しくれます」

「それを大事にしろ。あまり私に肩入れしすぎると毒されてもどれなくなるぞ」

7日通って、7日休む。
初めから当たり前にあったルールは、だれが決めたものか。

「毒ですか?」
「ふふ、私は魔王だぞ。人間には最悪の毒だ」

「ずいぶんと可愛らしい毒ですね」
「吸っている本人が気づかないのなら、さらに悪性の毒だ」

今度はむこうだと、
魔王さまは庭の反対側を指す。


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