魔王さま100分の1

ふりをして、しゃきっと。

「では?冬の間だけ、こっちに寝泊りする許可をどうにかもらうのはどうでしょう?」

「なにがでは?だ。7日よりも滞在が長くなっているだろう」

「せっかく夜祭で毒がまわったようなので、言えるだけ言ってみようかと」

「くそう、おまえはいつも手強いな」

「女の子がくそうとか言わないでください」

「私は魔王だからいいんだ」

「それで真面目な話、冬の間のことを検討してもらえませんか?」

「真面目な話だったのか?」

「勢いで魔王さまにうんと言ってもらえれば、重大事項に発展するので大真面目です」

「不許可だ、許さん」

「許してもらえれば、冬の通いが楽になるのですが……」

「そんな理由かっ」



< 218 / 329 >

この作品をシェア

pagetop