魔王さま100分の1
「雪の中を通うのは大変なんですよ」
「知らん。死ぬ気で通え」
「通いますけどね」
「なんだその私が悪いみたいな目は?」
「ケチ、意気地なし」
「なんだとーっ」
「ほら、たかい、たかーい」
「やめんか、おろせっ」
抱き上げられた小さな魔王さまと、シルキスの攻防。
本当に夜祭に酔っていたのかもしれない。
「おまえは絶対通いだ。そして通いの日は休むな。毎日、雪まるけの顔を見て笑ってやる」
「それならば、収穫祭の日も休みなしですね」
「冬の話だっ」