魔王さま100分の1

「雪の中を通うのは大変なんですよ」
「知らん。死ぬ気で通え」

「通いますけどね」
「なんだその私が悪いみたいな目は?」

「ケチ、意気地なし」
「なんだとーっ」

「ほら、たかい、たかーい」
「やめんか、おろせっ」

抱き上げられた小さな魔王さまと、シルキスの攻防。

本当に夜祭に酔っていたのかもしれない。

「おまえは絶対通いだ。そして通いの日は休むな。毎日、雪まるけの顔を見て笑ってやる」

「それならば、収穫祭の日も休みなしですね」

「冬の話だっ」


< 219 / 329 >

この作品をシェア

pagetop