魔王さま100分の1
「魔王さま」
エルフ達が自然にあける道の真ん中を通り、魔王さまの前に立って見下ろす。
「それを皆に見せびらかすのはやめてくださいと、今朝もお願いしたはずですが」
「生まれ変わったお前の相棒だぞ。皆の祝福を受けさせて何が悪い」
魔王さまは、シルキスに自分の左手を持ち上げて見せた。
その指に輝くのは、鋼の指輪。
あのクワの先が、
魔族の最高の技術で打ち直され、磨かれ直されて、帰ってきた姿。
魔王さまは、観衆にむかって言う。
「なっ」
そのとおりっ!
観衆はみな魔王さまの味方をする。
「全員で、魔王さまを甘やかさないでください」
シルキスは、魔王さまの頭をつかんでぐりぐりする。
「あ、こらっ、おまえこそ、皆の前でこれはやめろと言っておいただろ」
「されるような事をするからです」
そのシルキスの手指にも同じ、
鋼の指輪。