陽だまり
序章
おれにとって、そこは陽だまりだった。

暖かくて優しくて、今ままで感じたことのない感触だった。

はじめて、おれの心が暖かくなった。



おれは、その時はじめて、生きていることを知った。

救われた瞬間だった。



おれは、そこを、その人を守っていこうって思った。

あのひだまりを。




あの頃から、おれの気持ちはひとつも変わっていない。

ただただ、あのひだまりが好きだった。

大好きだった。
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