陽だまり
「んー。おいしー。優喜てんさーい」
「洗剤を入れなかったことに感謝してよ」

食べながら、つーんとする優喜。
人が褒めてやってるのに、可愛くないの。

「そんなに痛かった? さっきの」

生意気な口をきくので、さっき頭を一発ひっぱたいたのだ。

「イタイイタイ。あーいたかったー。おれはさー、ヒナのためを思っていったのにさー、ぶつことないじゃないかー」
「脂肪とかいうからよ」

たしかに、高校入って健康診断を受けたら、体重がちょっと増加していたのは認めよう。
でも、それは胸とか、そういう女としての部分が増えたと思いたいのだ。

「本当のことだよ。腹ばっかりでかくなって、胸のサイズは変わらないヒナ姉さん」

むかっ。

普段、いくら「姉」と呼べと言っているのにもかかわらず、無視して名前を呼び捨てにしている弟。
なのに、こういうときだけ皮肉っぽく姉と呼ぶんだ。

「胸なら、日々成長してますー。このまえ、ブラのサイズ変えたんだから」
「知ってるよ、そんなの」

へ?

「でも、それってトップじゃなくて、アンダーが入らなくなったからじゃないの? 無理しちゃって」
「な……なんでそんな事知ってるのっ」
がたっといすをならせて立ちあがり、あたしは、まっかになって叫んだ。
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