陽だまり
ちょっとレベルの高い女子高。
うちの学校は、まわりにそう言われている。


だからなのか、ときどきどこかの男子が校舎の周りをうろうろするということがあった。

たいていは彼女のお迎えだったり、好きな子のまちぶせだったりするのだが、ストーカーもどきのこともあったらしい。


それで小泉オバさまは、男子の出入りを厳しくチェックしていたりする。


言いたいことを言って、小泉オバさまは校舎に帰って行き、あたしはほっとした。

「優喜、あのね、うちの学校いろいろと厳しいの。来るなら連絡してよ」

わたしがぜいぜいと息を切らしながら必死で言っているのにもかかわらず、優喜はまるで気にしない様子でけろっとしていた。

「大丈夫かぁ? 体力無いなー、ひなは」


この、呑気者!



「じゃあ、帰るよ」

わたしが優喜の腕をひっぱって観衆をかきわけようとすると、後ろから肩を叩かれた。

「ねえ、水城さん」

振り返ると、見覚えのあるようなないような顔が、ずらりと並んでいる。

「え?」

「弟さんなの? 紹介して」

彼女たちの眼は、輝いていた。

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