生徒会長に任命します!〜会長だって恋する乙女?!〜


「俺が、今まで通り塾で働いてたらって考えたんだ。
俺と千紗は、真逆の生活ですれ違うよ、きっと」

「そうだけど……」

「俺はさ、千紗のこと愛してる。だから、すれ違いでぎくしゃくしたくない。分かる?」

「分かるわよ。私だって、今の生活のままだと会話も減って誤解とか生じると思うわ。

でも……、先生と生徒にならなくちゃいけない理由が分からない」

「まずは、俺の生活パターンを変える必要があったんだ。だから最近、昼間の仕事を探した。
でも、なかなか見つからなくてさ……」

「うん。それで?」

「そしたら、塾長が七瀬(ななせ)校長から『長谷川君をうちの学校に』って言われたらしくって。

昼間の仕事も見つかる様子もないし、塾長から頼まれたのもあるんだけどね」

「何よ、その『まぁ、いいか』みたいな理由。
だいたい、昼間の仕事見つけるとかも聞いてない……。

……そんなに、私に話したくなかった?」

「違うよ、千紗。
ただ、単純に驚かせたかったていうのもあるけど、話す暇なんてなかっただろ?」

「あ……」

「ほらね。今みたいにまともに話したのも久しぶりなんだから」

「……ごめんなさい」

「別に千紗が悪いってわけじゃないでしょ?俺も充分悪いんだから。

千紗は寂しいと思ったから、この前甘えたでしょ。だけど、俺は昨日まで気づいてやれなかった」

「だけど……」

「風邪引いて弱ってるのかな?いつもの千紗じゃないよ」

 風邪で弱ってるのもある。
 だけど、風邪とか関係なく普通の状態だったとしても、たぶん不安。

 膝を抱えている腕に力を入れ、不安を追い出そうとする。

 それでも、不安は増すばかり。


< 71 / 361 >

この作品をシェア

pagetop