チョコと焼酎~   st.valentin



軟らかいチョコの時は、いつもこう。


指がベトつくのを、私が嫌うから。



そっと口の中で溶かす。



今日のチョコは、切ない位甘すぎる。


だから、自分で追い討ちをかける。


「それとも、ここに呼ぶ?」


イヤだけど。




「オマエ、しつこい!」



怒られた。



嫌われた。



「いないよ」



竜二が、うつ向いて呟く様に言う。


「えっ?」


「カノジョ、いない。

お前がマにうけるから。


おかしくてほっといたら、ひとりで妄想?


挙げ句に、泣きそうな顔してんじゃねえよ」


そんな顔してないし!

おもいっきりバカにした笑いで、言ってやった。


「なーんだ!

カノジョの二人や三人いないの~?


カッコわり~!」


「はぁー」


なんでため息?



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